女性「脂肪って太る原因だから,摂らなくていいんじゃないの?」
こういった疑問にお答えします。
Taka「この記事を書いている私は,現役パーソナルトレーナーで,医療機関でリハビリテーションとしても働いています。栄養やトレーニング論を専門とします。」
脂肪は身体において,内臓を守ったり,脂溶性ビタミンの吸収をよくしたりと大切な働きをします。もちろん摂りすぎは,メタボリック・シンドロームの原因だったり,就活習慣病を引き起こすため注意が必要です。
また,脂肪の中にも体内で作れない脂肪があります。それが冒頭でもあった「オメガ系」です。オメガ系は体内では作れないので「必須脂肪酸」と呼ばれ,食事から摂る必要があるのです。
摂りすぎはいけませんが,身体にとても重要な働きをする「必須脂肪酸」であるオメガ系についてお話しします。
本記事の内容
・脂肪酸について
・オメガ3
・オメガ6
・理想の割合は1:4(オメガ3:オメガ6)
・欠乏症
・効率的な摂り方
脂肪酸について
脂肪酸は,動物性の油が中心の飽和脂肪酸と,植物性の油が多い不飽和脂肪酸に大きく分かれます。
脂肪酸
- ①飽和脂肪酸
- ②不飽和脂肪酸
どちらも身体にとって大切ですが,日本人の場合は飽和脂肪酸を多く摂りますが不飽和脂肪酸はあまり摂りません。とくに,肥満になりやすい人は飽和脂肪酸を摂りすぎる傾向にあります。
焼肉などの脂は飽和脂肪酸で,凝固温度が高く,食事をしてから数時間で固まってくるため血液がドロドロになります。そのため,飽和脂肪酸を摂りすぎると血液がドロっとして病気になりやすくなるのでご注意を。
一方,不飽和脂肪酸はあまり摂られていません。不飽和脂肪酸は,青魚やナッツ類に含まれているため食べる機会が少ないのも原因です。自ずと飽和脂肪酸の摂取量が増えていくのが現実です。
脂肪酸の種類については前回もお話ししましたので,そちらを参考にして頂けたら嬉しいです。
必須脂肪酸の効果
不飽和脂肪酸から更に,オメガ3,オメガ6に脂肪酸は分かれます。この2つは脂肪でありながら,身体にとって非常に重要な働きをします。とくにオメガ3・6は身体で作れないため,必須脂肪酸と呼ばれます。
女性「え,脂肪は食べると脂肪になるんじゃないの?」
こういった疑問もあるとは思います。もちろん摂りすぎは太る原因ですが,体で作れない必須脂肪酸はとても重要な働きをするんです。
必要最低限の重要な油を摂ることも心がけましょう。
オメガ3
一昔前までは,ビタミンFと呼ばれるほど体内では非常に重要な栄養素でした。それから脂肪酸だと発見されてからは,「必須脂肪酸」と名付けられました。
オメガ3は,不飽和脂肪酸の一種。オメガ3は,α-リノレン酸,EPA,DHAなどの総称です。それぞれに効果があるため,少し解説します。
α-リノレン酸
種類 | 必須脂肪酸 |
効果 | ・アレルギー疾患(皮膚炎・花粉症) ・血液をサラサラにする ・高血圧を予防 ・動脈硬化の予防 ・がんの予防 ・脳の活性化 |
特徴 | 15%ほどDHA・EPAの材料になる |
α-リノレン酸の効果は非常に幅広いのが特徴です。その2割ほどがDHA・EPAの材料となるため,2つの効果が合わさっていることが多いです。
DHA(ドコサヘキサエン酸)
種類 | 必須脂肪酸 |
効果 | ・血液をサラサラにする ・高血圧を予防 ・動脈硬化の予防 ・がんの予防 ・脳の活性化 ・ストレス緩和 ・美肌 |
特徴 | 乳幼児の脳や神経の発達に必要 |
人の脳・目の網膜の成分で,脳に直接入って栄養素として機能できる数少なく物質です。そのため,乳幼児などの脳の発達が盛んな時期にDHAは,非常に重要な栄養素となります。
EPA(エイコサペンタエン酸)
種類 | 必須脂肪酸 |
効果 | ・血液をサラサラにする ・高血圧を予防 ・動脈硬化の予防 ・悪玉コレステロールを減らす ・善玉コレステロールを増やす |
特徴 | ・血液・血管の健康維持に重要 ・血液サラサラ効果がDHAより高い |
DHAよりも血液サラサラ効果が高く,EPAは脳梗塞,動脈硬化などの血管系の病気を改善してくれる報告が多くあります。とくに高脂血症などの病気にEPAが使われるといった医学への応用もされるほど効果の期待される脂肪酸です。
オメガ6
オメガ6の主要成分は,リノール酸です。
リノール酸
種類 | 必須脂肪酸 |
効果 | 悪玉コレステロールを減らす |
特徴 | 。摂りすぎると善玉コレステロールも下げる ・摂りすぎるとアレルギーを悪化させることも |
リノール酸は,生活上摂りすぎてしまうのが欠点です。ですが,必須脂肪酸であり不足すると欠乏症を起こすことも。
理想の割合は1:4(オメガ3:オメガ6)
オメガ3とオメガ6の理想の比率は1:4です。
理想比率
オメガ | 比率 |
オメガ3:オメガ6 | 1:4 |
とくにこの2つは必須脂肪酸です。
食事から摂取するとなると,青魚に多いオメガ3はどうしても不足しがちに。そうなると,食事から摂りやすいオメガ6の比率が少し多くなります。
ですが,実際にはこの比率とは違い,現代人はオメガ3の摂取が少なく,オメガ6の過剰摂取が問題になっています。
オメガ6は,コーン油やゴマ油といった油に多く,調理の際によく使われます。
ですから,オメガ6を摂取しやすい人は,オメガ3であるエゴマ油やオメガ9であるオリーブオイルに変えるといった工夫が必要です。
欠乏症
じゃあ脂は摂らなくても良いのでは?と思いますが,さきほども述べたようにオメガ系は必須脂肪酸に分類されます。
体内で合成できない必須脂肪酸が不足すると,体内では欠乏症が起きます。
欠乏症
- 皮膚の乾燥
- 脱毛
- 免疫不全
- 血栓形成
- 血小板減少
- 成長障害
- 脳の発達障害…
オメガ系は血液・血管の栄養,脳の発達に関わるため,欠乏すると成長障害などが起こります。
飲み過ぎなどで起こる脂肪肝は無理なダイエットでも起こるので注意が必要です。脂肪は1kg1キロカロリーもあるので,ダイエッターはまず先に脂肪を減らしますが,必要な脂肪まで減らさないように。
【脂肪酸とは】種類について解説|必要な油もある
中性脂肪は,3個の脂肪酸と1個のグリセロールから構成されています。そして,3個の脂肪酸の種類によってオメガ3,オメガ6に変わっていくため脂肪酸について知ることは非常に重要なことです。皆さんが普段使っている油ばどれに分類されますか。今回は脂肪酸の種類についてお話ししていきます。
効率的な摂り方
やはり青魚の刺身や,旬のお魚を摂るのが良いでしょう。ですが,不飽和脂肪酸は,非常に不安定な栄養素であり熱によって変わりやすいです。
そのため,煮込み・揚げ物などの熱処理は栄養が逃げるため,できるだけ刺身といった生で食べることをおすすめします。
刺身が苦手な人もいると思うので,そういった方はサプリメントの摂取をおすすめします。
まとめ
脂肪にも体にとても重要な脂肪があります。
カロリーが高いからと,無闇に減らすのはやめましょう。
また次回以降にサプリメントの紹介もするので,魚をあまり食べない人はそちらを参考にしてきてください。
本日はここまでにします。