男性「グリコーゲン(カーボ)・ローディングってなんですか?効果はあるんですか?」
今回はこういった質問にお答えします。
最近では,Youtuberがボディビル・フィジークの競技に出場する際に,行っていることが多い方法ですね。
もともとは,スポーツや競技者に対して行なっていた方法で,ボディビルやフィジークの選手が行うと筋肉が大きくなるため,行なっている方も多いです。
要は,グリコーゲンというエネルギーを筋肉に貯めることで,トレーニングの質や効果が変わるという仕組みです。
ご自身のトレーニングに取り入れる方法や,やり方,メリット・デメリットがあるので紹介していきたいと思います。
本記事の内容
・グリコーゲンのおさらい
・グリコーゲン(カーボ)・ローディングとは
・メリット
・副作用(デメリット)
・やり方の説明
グリコーゲンのおさらい
私たちの体は,食べ物からエネルギーを摂取して栄養を摂っています。
主に三大栄養素である,タンパク質・炭水化物・脂質がありますが,グリコーゲンは炭水化物の中の糖質が分解されたものになります。
グリコーゲンはエネルギー源として使われます。
三大栄養素の中でも,最もエネルギーとして即効性のある栄養素であり,運動中や日中の活動の際には糖質であるグリコーゲンが使用されます。
すぐにエネルギーとして使えるよう,基本的には筋肉・肝臓,そして血液中に保存されており,運動や身体活動,頭を働かせるなどによって使われていきます。
・肝臓:約100g
・筋肉:約300g
・合計:約400g
体の中に貯蔵できる箇所は,肝臓と筋肉の2箇所のみとなります。
2つ合わせて約400gのグリコーゲンをため込むことができます。これをカロリー計算すると,およそ1,600kcal(400x4kcal)となります。
どれくらい摂取するべきか
男子高校生:3150kacl(茶碗:8.5杯) 女子高校生:2550kcal(茶碗:6.9杯)
上記は高校生の男女が1日に摂取すべきカロリーです。
()内はあくまで1日に必要な糖質(グリコーゲン)を,お米で換算した場合の茶碗の数になります。実際は,おかずや副食があるため,それ以上食べなければいけません。
PFCバランス|1日の糖質割合
・55〜65%
アスリートやトレーニング,筋トレを行なっている方は,60%以上は摂取することが推奨されています。
【食事から脂肪になるメカニズム】どうして太るのか
食事から摂取した脂肪は,運動で消費されないと中性脂肪として体に蓄えれられます。吸収のされ方はタンパク質,脂質,炭水化物によってそれぞれ異なります。脂肪へと変換されるメカニズムについてお話しします。
グリコーゲン(カーボ)・ローディングとは
おさらいが終了したところで,本題に入ります。
グリコーゲン・ローディングと言いますが,他にもカーボ(炭水化物)・ローディングと言ったりします。意味は同じですね,炭水化物もグリコーゲンも要は「糖質」であることを伝えたいのです。
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グリコーゲン・ローディング(改良)
グリコーゲンを筋肉に蓄える方法で,試合や大会3日前から高糖質食(エネルギーの70%程度)に切り替える食事方法。持久系競技,試合時間が長い競技に有効な方法。
通常食 :55〜65%
高血糖食:70%以上
つまりは,グリコーゲンを一気に体に入れ込むことで,貯蔵できる最大量(400g)を溜め込んでしまおう,という方法です。
私たちの体は…
フルマラソン大会に出たことがある人はわかりやすいと思いますが,レースの各関門には,バナナやスポーツドリンクといった「おやつ」があります。トップランナーはさすがにバナナは食べませんが,スポーツドリンクなどで常に「糖質」「アミノ酸」を摂取しながら走っています。
そのように体を動かすには,常にエネルギーを補給する必要があります。
それは,私たちも同じであり,筋トレやランニング,トレーニングを行なっている人は皆エネルギーを摂取しながら運動を行う必要があります。
グリコーゲン・ローディングをやる理由としては,先ほどのマラソン選手のようにグリコーゲンを最大限に貯め込んだ状態と,貯め込んでいない人とでは,両者を比べると持久性に差が出るため,パフォーマンスにも影響されると報告されています。
メリット
具体的なメリットを説明します。
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①体タンパク質の分解を抑えられる
②1時間以上走行する種目に効果的
③20km以上走行する種目に効果的
④筋肉が大きくなる
①体タンパク質の分解を抑えられる
グリコーゲンの貯蔵量とタンパク質の分解は関係します。
グリコーゲンが貯蔵されていると,運動してもグリコーゲンが消費されるため,タンパク質の分解が抑えられます。
一方で,グリコーゲンが貯蔵されていないと,エネルギーがなくなり,次第にタンパク質を分解するため,体がカタボリックの状態になり,筋肉は分解されます。
②1時間以上走行する種目に効果的
③20km以上走行する種目に効果的
持久性の求められる競技に向いていると言われています。
マラソンやラグビー,サッカーといったスポーツのような持久エネルギーを必要とする場合,この方法は効果的です。
④筋肉が大きくなる
グリコーゲンが筋肉に貯蔵されるため,筋肉が大きくなると報告があります。ボディビル,フィージーク選手といった人たちは,大会前に行なっている人が多くいます。
副作用(デメリット)
一方でデメリットもあります。
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・不要なため込みは太る
・この時期は痩せることはできない
・体調不良が起こる可能性も
やはり,一度に糖質を摂取することで,体への負担から体調を崩したり,太る可能性もあります。この方法を行う場合は,何かの大会や試合の前に行うようにしましょう。
テーパリングも忘れずに。
テーパリング
身体的にも精神的にも最高のコンディションで競技大会へ臨めるようにするため,トレーニングを徐々に減少させる調整法のこと。
やり方の説明
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①7〜4日前:普通食,運動量減らす
②3日前 :高糖質,運動量減らす
③2〜前日 :高血糖,運動量減らす・休む
※普通食:糖質55〜65%。高糖質:糖質70%以上
およそ1週間前から運動量を減らし,グリコーゲンの消費を抑えます。そして,試合当日までに徐々に運動量を減らしつつ,グリコーゲンをため込んでいきます。
この時期に運動量を減らさないと,グリコーゲンは消費される一方なので注意が必要です。
質問!
男性「最初から高糖質の食事ではダメなの?」
TAKA「1日の摂取カロリーの70%以上を糖質で摂取するのは,とても大変なことです。体調を崩す恐れもあり,3日前からがベストとされています。
皆さんも,大事な試合がある場合は,方法を守りながら行なってみてください!」