女性「食物繊維ってなんですか?食べ物の残り物?みたいなイメージがありますが,積極的に摂って効果はありますか?」
こういった疑問にお答えします。
この記事を書いている私は,現役パーソナルトレーナーで,医療機関でリハビリテーションとしても働いています。栄養やトレーニング論を専門とします。
元々,食物繊維は「邪魔者扱い」されていました。食べても意味がない,排出されるだけ,として意味のないものでした。
しかし,現在では「体に大切なもの」「積極的に摂取したいもの」として,大事にされています。昔とは雲泥の差です。
そして,積極的に摂ることで【ダイエット効果】が期待されている,期待の星です。
本日は食物繊維について話していきます。
本記事の内容
・食物繊維とは?
・水溶性食物繊維と不溶性食物繊維
・食物繊維の歴史
・食物繊維とダイエット
・多く含まれる食品
・食物繊維が不足するとどうなるか
食物繊維とは?
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食物繊維
英:dietary fiber(ダイエタリーファイバー)
人の消化酵素によって消化されにくい,食物に含まれている難消化性成分の総称。
私たちの体では,胃から腸を通って食べ物を消化・吸収していきます。その過程で,食物繊維は,消化されにくく,そのまま排出されていきます。
1種類だけと思う方もいますが,その性質上,大きく2つに分類されます。
②不溶性食物繊維
どちらも体内には吸収されませんが,健康には必要な働きをしており【第六の栄養素】とまで言われています。
不溶性食物繊維と不溶性食物繊維
①水溶性食物繊維
水に溶けやすく,水に溶けるとゼリー上になる性質があります。
・小腸での栄養素の吸収を緩やかにする
・食後血糖値の上昇を抑える
・コレステロール値を低下
・ナトリウム排出による,高血圧予防
種類
・β-グルカン
・ペクチン
・アルギン酸
・グルコマンナン
水溶性食物繊維は,実に多彩な効果を発揮します。
とくに有名なのが,食後の血糖値を上昇を予防してくれる点です。
GI値が高い食品を多く摂ると食後血糖値が急上昇して,インスリンが過剰に分泌されますが,水溶性食物繊維の多く含まれた食品を摂ることで,ゆっくりと消化されるため血糖値の上昇も抑えられます。
②不溶性食物繊維
水に溶けにくい食物繊維です。
・水分を吸収して便の容積を増やす
・有害物質を体外に排出
種類
・セルロース
・ヘミセルロース
・ペクチン
・イヌリン
こちらは簡単にいうと「快便効果」です。
水に溶けにくいため,水分を吸収して大きくなり,不要な物質まで掃除してくれるため,腸内環境を良くしてくれます。
便秘気味の方は「不溶性食物繊維」の摂取が必要です。
ふたつの食物繊維をまとめると以下になります。
・腸内を善玉菌の好きな弱酸性に改善
・善玉菌のエサになる
・免疫力がアップする
・快便効果
【快便】【食後血糖】ですね!
食物繊維の歴史
少し余談で,歴史についても話していきます。
今の世の中,昔は不要だと思っていたものが,実は大切なものだった,ということがよくあります。
食物繊維もそうで,昔は「不必要なもの」として扱われてきました。
理由 ・食べても栄養にならない ・食べても排出されるだけ
こういった理由からでした。
1971年
イギリス バーキット博士「食物繊維仮説」
食物繊維が摂取量が少ないと大腸ガンの発生リスクが高まるのでは。
それ以降,急速に食物繊維の重要性が高まり,第6の栄養素として現在では扱われています。
食物繊維とダイエット
・コレステロールの吸収を抑える
・食後血糖値の上昇を抑える
・便秘を解消!
つまりこれらは,ダイエットと非常に相性がいいんです。
ダイエットの一番の悩みは食事をいかにコントロールするかです。運動をしていても,食べ物を食べ過ぎたり,甘いものを食べすぎるとかえって太る原因にもなります。
その点,食物繊維には上記のような効果もあるため,積極的に摂取することで,ダイエット効果も得られます。
まずは,ご自身が食物繊維を摂れているか?を確認しましょう。
食物繊維の摂取量
18〜29歳 男性:20g以上 女性:18g以上
30〜49歳 男性:20g以上 女性:18g以上
50〜69歳 男性:20g以上 女性:18g以上
・引用:健康長寿ネット
つまりは,男性であれば20g以上,女性であれば18g以上摂取が目標とされています。
日本人は食物繊維不足?
しかし,日本人のほとんどがしっかりと栄養を摂取できていないのが,現実です。
下のグラフを見ると分かります。
とくに10〜40代の男女ともに食物繊維が摂れていないのが,よくわかります。
・外食傾向
などが挙げられます。
この年代は学業や仕事で忙しく,コンビニなどでの食事が多く,満足のいく食事が摂れていません。そのため,ファーストフードなどでは食物繊維が不足し,摂取量も減っている傾向にあります。
ダイエットとして食物繊維を摂ろうと考えている人は,まず1日の摂取量を目安として摂ることをおすすめします。そして,徐々に増やしていきましょう。
多く含まれる食品
大麦,オーツ,こんぶ,わかめ,こんにゃく
穀類,野菜,豆類,果物,ごぼう,きくいも
大前提として,食物繊維は炭水化物の中に含まれています。
・炭水化物(食物繊維+糖質)
炭水化物の摂りすぎは太る原因ですが,炭水化物にも食物繊維が多く含まれているモノがあるため,見極めが肝心です。
例えば,お米も炭水化物ですが,食物繊維も豊富であり,摂取しないと便秘の可能性が出てきます。
参考例 ・こんにゃく:3.0g ・インゲン豆:13.6g ・ライ麦パン:5.6g ・じゃがいも:9.8g
食物繊維が不足するとどうなるか
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不足による影響
・腸内環境悪化による便秘
・大腸癌のリスク
・生活習慣病(糖尿病)のリスク
・肥満
食物繊維はゴボウ,じゃがいも,麦,といった噛みごたえのある食べ物が多いです。噛めば噛むほど,満腹中枢も刺激され,少ない量でお腹も満たされます。
第六の栄養素と呼ばれるほどの「食物繊維」,まずは自分の摂取量を見直すところから始めてみましょう。
それがダイエットに繋がります。
本日はここまでにします。