健康

【テストステロンとは】筋トレや健康との関係性

男性ホルモンの1つで,体の男性化に寄与しています。
テストステロンはとくに男性の代表的存在。筋肉を増大させたり,骨格を形成するうえでは大切なホルモンであり,男性には不可欠なものです。

このテストステロンも年齢により徐々に減少していきますが,人為的に増やしていくこともできます。もちろん「ドーピング」ではありません。人為的というのは筋トレや運動のことで,体を動かすことになります。

これらを行うことで増やす,もしくはテストステロンの量を維持することができます。

運動しないで毎日を過ごすと,筋力が低下したり精神的にも落ち込んできます。人間は上手に作られているな,と感じます。読むだけでも価値はあると思います。

この記事について

・テストステロンとは
・テストステロンを分泌させるには
・テストステロンと筋トレの関係
・ドーピングについて
・テストステロンと健康の関係

テストステロンとは

男性ホルモンの1つで代表的なホルモン。
(男性ホルモン=アンドロゲン)
95%が精巣で作られており,声変わりやひげ,体毛がふえるなどの二次性徴期に重要です。他にも骨格を形成,筋肉を作る際に必要なホルモンです。
女性も,男性の5-10%程度分泌されています。

正常値

1.92~8.84 ng/mL

ほとんどが精巣で作られますが,微量ながら副腎(副腎皮質・副腎髄質)で作られている男性ホルモンもあります。

精巣:テストステロン
副腎:デヒドロエピアンドロストロン(DHEA)
   アンドロステンジオン(DHT)

いろいろな男性ホルモンがありますが,男性ホルモンの代表格がテストステロンであり,テストステロンの作用を考えてもらえれば問題ありません。

分泌の仕組

脳の視床下部から「GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン)」が分泌され,脳の下垂体に働きかけ,下垂体から「LH(黄体化ホルモン)」というホルモンが分泌されます。これが精巣に働きかけて,テストステロンが分泌されます。

脳の視床下部から「CRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)」が分泌され,脳の下垂体に働きかけ,下垂体から「ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)」というホルモンが分泌されます。これが副腎に働きかけてDHEA,アンドロステンジオン(DHT)が分泌されます。

作用

 

筋肉量の維持・増加(タンパク質の合成促進)
骨量の維持・増加
性欲の維持・増進
精神面での安定(気力,うつ予防)

年齢による推移

20代〜30代でテストステロンはピークを迎えて,そこから先は徐々に下降していきます。基本的に減っていきますが,なかには中高年になっても衰えない人もいて,かなり個人差があるホルモンでもあります。

その他

・筋サテライト細胞の活性化

筋肉を肥大させたりと筋トレの効果を出してくれますが,成長ホルモンとはまた違っています。精神面の安定や性欲など男性には重要な作用があります。

テストステロンを分泌させるには


男性は何もしなくてもテストステロンが分泌しています。
ですが,先に話したように加齢により徐々に減っていくため,なにもしないと分泌量は減ります。

テストステロンは運動により分泌が促されることがわかっており,筋トレやランニングのようなトレーニングはテストステロンの分泌を手助けしてくれます。運動を行うと分泌が促進されますが,疲労が残るような運動ではかえって分泌量を減らしてしまう恐れもあります。

負荷量の強い運動で,尚且つ疲労がそこまで乗らないような適度な運動を行う必要があります。トレーニングでは何時間も行わず,短時間で集中することがポイントです。

テストステロンと筋トレの関係

運動をすることでテストステロンの分泌を促進してくれることは説明しました。筋トレやウォーキングは健康的にもなれますし,なにより精神面での安定に働きます。

最近では男性の更年期障害(LOH症候群)というのもあるくらい,男性ホルモンの低下による症状が注目されています。
この症状では,不安,いらいら,うつといった女性の更年期と似た症状があるのが特徴です。男性ホルモンは性欲や男性らしさを出してくれるホルモンですが,低下すると精神面での不安定さが露呈します。
いつまでも若々しい人は運動を継続しています。

このような報告もあります。

テストステロンあるいはDHEA補充療法により、体脂肪の減少と筋肉量・筋力の増加、骨量の増加、糖・脂質代謝の改善、血管拡張作用、日常生活動作と気分の改善などが報告されているものがあります。

男性ホルモンは健康に関係することがわかると思います。男性ホルモンを補充することで健康的になった報告であり,ホルモンひとつで身体的・精神的に改善するほど,男性ホルモンは重要ということがわかります。

精神的に落ち込んでいる人は,もしかすると男性ホルモンの影響かもしれません。

ドーピングについて

アナボリックステロイド
テストステロンのタンパク質合成作用だけを強化した合成のステロイド。筋肉増強材としてドーピングの対象。

ステロイドとは,つまりはテストステロンの良いところだけを抽出したものです。ステロイドに頼らなくても,適切な運動を行うことで,テストステロンはしっかりと分泌されます。

ドーピングの対象となっているため使用は禁止されています。
多くのボディビルの人は使用している人もいますが,副作用も多く報告されています。とくに循環器系の心筋梗塞,血圧上昇やコレステロール上昇,脱毛など,様々な副作用が報告されています。

テストステロンと健康の関係

ホルモンという観点から運動をするのは,あまりしないことだと思います。しかし,紹介した様に運動はホルモンを増やすという観点からも行った方が良いと考えています。

とくに体を大きくしたいと考えている方は,筋トレを行うと男性ホルモンも分泌されるため一石二鳥です。精神面で安定したり,気分が沈み込んでいるときこそ,筋トレは効果的かもしれません。

テストステロン値が低いとインスリン感受性が悪く,メタボリック症候群になりやすく,また性機能,認知機能,気分障害,内臓脂肪の増加,筋肉量の減少,貧血,骨密度の減少を生じ,男性のQOL(quality of life)を著しく低下させる。

多くの報告がありますが,男性ホルモン,とくにテストステロンの低下は健康にもかなり影響します。