ビタミンには大きく脂溶性ビタミンと水溶性ビタミンのふたつに分かれています。
水溶性ビタミンはビタミンB群(ビタミンB1,2,6,12)とビタミンC,ナイアシン,葉酸,パントテン酸,ビオチンに。脂溶性ビタミンはビタミンA,E,D,Kに分かれています。
ビタミンは身体では生成することができないため,食事から摂取する必要があります。
そしてビタミンにはそれぞれ重要な働きがあり,人が健康に成長したり健康を維持するにはビタミン群の摂取が大切です。
とくに,ビタミンB6群は筋タンパク質の合成を助ける酵素の補酵素としても働くため,食事からしっかりと摂取する必要があります。
そのためタンパク質だけを摂取している人は,筋肉が付きにくいとも言われているため,ここではビタミンの必要性を説明していきます。
この記事について
・ビタミン群は補酵素
・筋タンパク質の合成に必要なビタミンB6
・ビタミンB6を多く含む食品
・筋トレを多くする人は摂取が必要
ビタミン群は補酵素
酵素とは代謝酵素,消化酵素,食物酵素の3つからなり,それぞれ消化や代謝を利用してくれる働きがあります。
補酵素は,酵素を助ける働きを持ちます。
この補酵素の働きをするのがビタミン群で,ビタミンは水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分かれています。
そしてビタミン群のなかでもとくに筋タンパク質の合成に寄与するのが,ビタミンB6です。
市販のプロテインの成分表を見ると,ビタミン群が少し入っているのがわかります。
これは「ビタミンを摂って元気になろう」という意味もありますが「プロテインと一緒にビタミンも摂って吸収率をアップしよう」という考えなんです。
他にも既製品の中にはビタミンが少量含まれているものが多く,吸収や合成にはビタミン群の働きが重要です。
筋タンパク質の合成に必要なビタミンB6
水溶性ビタミンであり水溶けやすい性質を持ちます。
その水溶性ビタミンの,ビタミンB6は生体内ではアミノ酸代謝や神経伝達に用いられます。ピリドキシン,ピリドキサール,ピリドキサミンなどが複合されできたものです。
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ビタミンB6の働き
・アミノ酸代謝
・新糖生
・脂質代謝
・神経伝達物質合成
重要なのがアミノ酸の代謝です。
ビタミンB6は補酵素として活躍するため,アミノ酸の代謝の働きをサポートしてくれます。たんぱく質は食事から摂取すると一度アミノ酸まで分解され,そして再び合成される際にはビタミンB6が必要なんです。
しかし不足するとアミノ酸の代謝が低下し,筋肉の合成能が低下します。
実際にビタミンB6が低下すると筋肉がつきにくいといった報告もあり,トレーニングとしては必要なビタミンでもあります。
他にも免疫機能にも関わっており,不足すると風邪を引きやすかったり,免疫力が低下,精神面での影響も出てきます。
不足すると
・身体がだるくなる
・疲れやすくなる
・湿疹や皮膚炎になる
・口内炎,舌炎になる
・イライラしたり気持ちが不安定になる
・貧血が起こる
腸内細菌の働きで合成されたり,通常の食べ物で摂取できるため基本的には不足することはないとされています。
しかし,神経伝達にも関わっており不足すると,精神面ではうつになるとも言われています。
過剰に取りすぎると
水溶性ビタミンであり過剰に摂取しても基本的に尿中に排出されるため,リスクはそれほどありません。
それでも限度量が定められており守るようにしましょう。
以下の症状が報告されています。
・感覚神経障害 ・末梢感覚神経障害
1日の摂取量
成人男性…1.4mg
成人女性…1.2mg
上限は60mg
ビタミンB2と一緒に摂取
ビタミンB群は互いに補完し合いながら活動しています。
そのためビタミンB6はビタミンB2と一緒に摂ることを推奨しています。もし余裕があればビタミンB1とも一緒に摂ってください。
ビタミンB6を多く含む食品
ミナミマグロ,バナナ,にんにく,とうがらし
野菜よりも魚介類に多く含まれています。あまり意識しなくても,通常量は摂れますしサプリメントでもすぐに補える量なので一度購入を検討してみるのも良いと思います。
筋トレを多くする人は摂取が必要
前述したとおり,ビタミンB6はアミノ酸の代謝に必要です。アミノ酸を分解・合成する際にはかかせないビタミンB6。筋トレをしてタンパク質の摂取する量が増える人にはかかせません。
実際にタンパク質を多く摂る人は,ビタミンB6の摂取量も比例して多く摂ることも勧められています。
ビタミンB6はプロテインの中に含まれている場合もありますし,食事中からも摂取することができます。1日摂取量は1.4mgですが,上限は60mgもあるため,筋トレで成果が伸び悩んでいる人はビタミンB6のサプリを購入してみることをおすすめします。
他にも…
月経前後のイライラや気分の落ち込み,女性特有の症状はホルモンバランスの崩れです。
ビタミンB6はそんな症状も緩和してくれるため,運動をしない女性にもおすすめです。