タンパク質は三大栄養素の中でも筋肉と深い関係をもちます。
運動している,ダイエットをしている人は筋肉をつけようとしていますが,かならずタンパク質を摂取しているはず。
そのタンパク質にも良質なものがあります。
良質なタンパク質かを見分ける基準としてアミノ酸スコアがあります。
このアミノ酸スコアが良ければ良質なタンパク質になり,悪ければ良質なタンパク質を摂取する必要があります。
トレーニングをしている人にとって,またすべての人にとってとても大切な内容になるため,最後まで読んでみてください。
この記事について
・タンパク質の構成
・5大タンパク源
・アミノ酸スコアとは
・PDCAAS
・アミノ酸プール
タンパク質の構成
食事から摂取したタンパク質は,20種類のアミノ酸から構成されています。
よく聞く言葉ですよね。
飲料水などに入っているアミノ酸です。
アミノ酸は,必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2種類に分けられます。
必須アミノ酸 9種類 バリン,ロイシン,イソロイシン,スレオニン,メチオニン,リジン,フェニルアラニン,トリプトファン,ヒスチジン
非必須アミノ酸 11種類 グリシン,アラニン,グルタミン酸,グルタミン,セリン,アスパラギン酸,アスパラギン,チロシン,システイン,アルギニン,プロリン
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必須アミノ酸:体内で合成されないため食事から摂取
非必須アミノ酸:体内で合成される
このアミノ酸は,ひとつでも欠けてしまうとタンパク質を構成できないため,バランスよくアミノ酸を摂取する必要があるんです。
5大タンパク源
タンパク源には大きく5種類あります。
肉類,魚類,卵,豆類,乳製品です。
この5種類には非常に多くのタンパク質が含まれており,体づくりには必要な栄養素が含まれています。
タンパク質から更に動物性タンパク質と植物性タンパク質の2つに分かれます。
植物性タンパク質:豆類
動物性と植物性タンパク質の違い
動物性タンパク質には非常に多くのタンパク源が含まれています。
魚にはオメガ3という健康に良い脂肪酸も含まれています。
その反面,肉類には飽和脂肪酸を多く含んでいるものが多いです。
植物性タンパク質は,豆類のためイソフラボンなど女性には大切な栄養素が豊富に含まれています。
オメガ3などの健康によい脂肪酸も含まれています。
デメリットとしてはタンパク質含有量は少ないため,豆類から多くのタンパク質を摂取すると,たくさんの量を食べる必要があること。
しかし,でんぷんも含まれているため,大量に食べるとカロリーを多くとってしまう原因にも(木の実など)。
アミノ酸スコアとは
よく聞いたことがある言葉で「アミノ酸スコア」を聞いたことがあると思います。
アミノ酸スコア 必須アミノ酸の含有率を算出して点数化したもの アミノ酸スコアが100の食材は,9種類の必須アミノ酸がバランス良く含まれているタンパク源である。
アミノ酸スコアは点数化されており,100に近ければ近いほど良質なものとなります。
たとえタンパク質が豊富に含まれている食材であっても,アミノ酸スコアが100より遠く離れていれば良質なタンパク源とはいえないんです。
アミノ酸スコア100食品
WHO(世界保健機関)が算出したアミノ酸スコアでは,肉類(牛・豚・鶏),魚類,卵,牛乳,大豆はいずれもスコアは100です。
大豆のスコアは以前まで85前後でしたが,基準値が改定。
アミノ酸スコア100となり,良質なタンパク質と認められました。
できるだけ,アミノ酸スコア100の食材を選びましょう。
PDCAAS
タンパク質消化吸収率補正アミノ酸スコアといいます。
通称,PDCAASです。
アミノ酸スコアは,必須アミノ酸がどれだけバランス良く含まれているかの値でした。
PDCAASは,アミノ酸のバンラスだけでなく,そのタンパク質がどれだけ吸収され,体の中で利用されるかを評価しています。
この数値は1.00に近いほど吸収率の良さを表しています。
分離大豆タンパク,卵の卵白,カゼイン(乳タンパク)などが1.00で,牛肉や大豆タンパクは0.92と満点でこそありませんが,高いスコアを出しています。
アミノ酸プール
食事から摂取したタンパク質は,アミノ酸に分解され小腸,肝臓の順に吸収されていきます。
アミノ酸はタンパク質などの材料になりますが,すぐになるわけではなく,その多くは血管を通じて体内のアミノ酸プールに送られます。
アミノ酸プールとは,アミノ酸の貯蔵庫のようなもの。
特定の場所があるわけではなく,体内に存在する遊離アミノ酸を指した言葉です。
細胞や血液,筋肉中に存在しています。
筋肉:1kgあたり3〜4g存在する
アミノ酸プール(遊離アミノ酸)の役割は,必要なタンパク質を身体中に届けること。
筋トレをして筋肉を合成するためにタンパク質が必要となれば,体内のアミノ酸プールからタンパク質を合成しようとします。
ここでアミノ酸スコアが大切になります。
タンパク質を合成する際には必須アミノ酸と非必須アミノ酸が必要となります。
しかし,アミノ酸プールに足りないアミノ酸が存在すると,少ないアミノ酸に合わせてタンパク質が合成されます。
例)バリンが1gしかなければ,他のアミノ酸がどれほど多くてもタンパク質は1gしか合成されません。
つまりどれかが欠けてもだめで,どれかが多くてもダメなんです。
バランス良く存在する必要があります。
先ほども説明しましたが,アミノ酸中の必須アミノ酸がバランスよく含まれていることによって,私たちの体は構成されています。
必須アミノ酸は人体では合成することができないため,食品で補う必要があります。
効率的にタンパク質を合成したければ,好き嫌いはせずにアミノ酸スコア100の食品を積極的に摂取する事が必要です。