炭水化物のことをよく糖質って呼ぶけど,炭水化物と糖質は同じ意味なの?
よくこういう質問がありますが,少し違います。
炭水化物は三大栄養素のひとつで,大きく2つから構成されています。
炭水化物=糖質+食物繊維
糖質はいわゆる砂糖ですよね。
私たちは砂糖を栄養素としてからだを動かしたり,脳を使ったりしています。
運動の時の大事な栄養素です。
一方,食物繊維はご存知でしたか?
食物繊維はゴボウなどの野菜に含まれているイメージがあると思いますが,ごはんやパスタの炭水化物にも含まれています。
今回は炭水化物の糖質について少し話していこうと思います。
この記事について
・炭水化物とは
・糖質の種類
・糖質の働き
・1日の摂取量目安
・不足,過剰摂取
・病気について
炭水化物とは
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三大栄養素のひとつで,生命維持には不可欠な栄養素です。
とくに脳・運動エネルギー源として使われます。
冒頭で説明したように,炭水化物は糖質と食物繊維に分かれます。
糖質:体内で吸収されエネルギー源となる 食物繊維:体内で吸収されず,エネルギー源とならずに排出される
脳やからだのエネルギー源となっているのは,炭水化物の糖質の方になります。
食事から摂取するエネルギーもこの糖質が大半で,PFCバランスのほとんどが糖質から構成されています。
食物繊維は腸内環境を整えてくれたり,便秘に効果的など様々な効果があります。
食物繊維も大きく2つに分かれており,水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれています。
水に溶けやすいか溶けにくいかの違いですね。
今回は食物繊維については,大きく触れません。
糖質の種類
糖質はさらに4種類から構成されています。 多糖類,少糖類,二糖類,単糖類に分かれます。
糖質は単糖類が最小単位で,糖質は全て単糖類まで分解されてから吸収されます。
2つの糖が結合した二糖類,グルコース分子が結合した多糖類があります。
多糖類のように結合した糖が多いと消化にも時間がかかり,単糖類になるほど消化吸収が早いです。
基本的に消化吸収までの時間が速いほど血糖値は上昇します。
難消化性デキストリン
糖類は基本的に口腔内,もしくは小腸で吸収されますが,この難消化性デキストリンだけは消化されずに大腸まで届きます。
そのため,以下のような作用があります。
食後血糖値の上昇を抑える
内臓脂肪の減少
本来,糖質の作用をもつデキストリンですが,消化されにくいという性質から食物繊維に似た作用を持つ事がわかっており健康に良いとされています。
1日の摂取量目安
通常の日常生活を過ごしていれば,総摂取カロリーの60%摂取で問題ありません。
筋トレ中や運動を毎日している人であってもこの数値は大きく変わらず,逆に食べ過ぎや減らしすぎはからだに様々な影響をもたらします。
もし,バランスを変えるのであれは炭水化物ではなく,タンパク質や脂質の量を少し変えてあげると良いでしょう。
PFCバランスに則った正しい栄養を摂取します。
摂取量に関しては,問題なく摂取できると思います。
しかし,糖質は量よりも質が難しいです。
食後血糖値の上昇について
この記事を読んでいる方にダイエットをしている人がいれば注意して読んでください。
炭水化物の量は先ほどお伝えしました。
では,炭水化物の量だけに気をつけて摂取しているだけではいけません。
糖質には,吸収しやすい単糖類と吸収されにくい多糖類があることは先ほど説明しました。 人間は吸収が速い糖類を多く含む食品を摂取すると,食後の血糖値が急上昇するという性質を持っています。 血糖値が急上昇する事で,からだは脂肪を多く合成してしまうんです(GI値)。 そのため,炭水化物もカロリーだけを気にするのではなく,食後血糖値の上昇が少ない野菜などの多糖類を積極的に摂取する必要があるのです。
チョコやお菓子には単糖類である砂糖が多く含まれているため,消化吸収がとても速いんです。
同じ炭水化物だからといって,なんでも良いわけではないんです。
不足・過剰
炭水化物は人体のエネルギー源として,大事な役割を担っています。
これらが不足したり,過剰摂取することで重大な問題となることがあります。
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不足
思考力の低下
集中力の低下
持久力の低下
体力の低下
筋肉・脂肪量の低下
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過剰
肥満
糖尿病
動脈硬化
不足に関しては,皆さんもすぐにわかると思います。
糖質は脳機能を維持したり,体を動かすエネルギー源となってくれます。
不足すると,頭がぼーっとして上手く働かなかったり,体力が低下します。
不足状態が長く続くと,外部からのエネルギーが不足し脂肪や筋肉までもが分解されてエネルギーとなってしまいます。
ダイエットでよくある過度な糖質ダイエットもここに当てはまるでしょう。
過剰摂取は主に生活習慣病になりやすいです。
1日2日程度では,生活習慣病になることは少ないですが長く続くと病気にもなりやすいです。
とくに糖質の過剰摂取は蓄積されると,血液系の病気が多くなりがちです。
適量をこころがけましょう。
病気について
糖質では特に不足よりも過剰摂取が問題となりやすく,生活習慣病になりやすいです。
近年では中年以降の運動不足による筋力低下から,肥満になる人も増えています。
もちろん食事から過剰摂取することで生活習慣病になる人も多いです。
肥満は病気になるサインだと思い,そこから糖尿病や脳卒中にならないよう気をつけることが必要です。 病気になりやすいですが,炭水化物は人体にとって必要不可欠。 PFCバランスを守りながら,正しく美味しく摂取しましょう。